【競馬】差し馬ってどんな馬?差し馬の特徴を解説

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競馬 脚質

競走馬にはさまざまな脚質があります。

先頭を走る逃げ馬や前で競馬をする先行馬もいれば、後ろから脚をためて最後にスパートをかける差し馬や追い込み馬がいます。

なかには先行も追い込みもできる器用な自在型もいますが、基本的に脚質は4種類で分けるのが基本です。

当記事では、その中でも後ろから脚を伸ばして競馬をする【差し馬】にスポットを当てます。

差し馬がどのような馬であるのか、また、差し馬が好走しやすい条件などを知ることで、あなたの競馬予想のヒントになるかもしれません。

《この記事で分かること》

  • 差し馬がどのように競馬をするのか、分かります。
  • 差し馬の見所が分かります。
  • 差し馬が得意とする舞台が分かります。
  • 差し馬が苦手とする舞台が分かります。

差し馬とは後方から競馬する馬

ゴールの瞬間

差し馬の競馬スタイルはどういったものでしょうか。

最初に、差し馬がどのような位置取りで競馬をする馬なのか、紹介します。

前半は中団より後ろで脚を溜める

スタート直後の位置取りを見ると、差し馬は馬群の中団からやや後ろに位置することが多いです。

18頭立てのレースであれば10番手以降の位置で、前の動きを見ながら競馬することが多いですね。

逃げ馬や先行馬の場合はスタート直後からポジション争いが熾烈になりますが、もともと後ろで競馬をする差し馬にとってはスタートからペースを上げる必要はありません。

馬群の後ろでじっくりと脚をため、力を温存しながら競馬するのが差し馬の前半における競馬スタイルです。

ラスト3Fでペースを上げる

差し馬が動き出すのは一般的にラスト3Fといわれています。

1FのFは【ハロン】と呼びます。ちなみに1Fは200mなので、ラスト3Fとは、「ゴールまでの残り600m」を意味します。

競走馬は全力で走ることができる限界距離が600mといわれているので、ラスト3Fを差しかかったら全ての競走馬のペースが上がります。

とくに、それまで力を温存していた差し馬にとってはまさに勝負所です。コーナーから直線にかけて、ぐんぐん加速し、スパートをかけます。

最後の直線で最高速度までスピードを引き出す

差し馬の真骨頂は直線に入ってからで、トップスピードで先行グループに迫ります。

もちろん、直線の長い競馬場の方が最高速度で走り続けることができますが、直線の短い競馬場でもコーナーの段階でペースを引き上げ、直線に入る時点で十分スピードを引き出しています。

ラスト3Fの時点から徐々にスピードを上げていき、直線でラストスパートをかけて先団馬群を捕らえるのが差し馬の競馬です。

差し馬の魅力

魅力的な女性

人によって好みの脚質は違いますが、差し馬を好む方は非常に多いです。

差し馬にはどのような魅力があるのでしょうか。

人を惹きつける鋭い末脚

なんといっても最後の最後に末脚を発揮させる姿が差し馬の魅力といってもいいでしょう。

それまでじっくり脚を溜めていた馬が、最後のコーナーから少しずつ力を開放し、直線で末脚を爆発させる姿はテレビ映えすることも踏まえて、多くの人を惹きつけます。

直線で瞬発的に加速力をあげる馬もいますし、はるか後方から前の馬を捕らえにかかる馬もいて、差し馬にもさまざまな馬がいます。

見栄えするという面では差し馬や追い込み馬は非常に競馬らしい競馬をします。

馬群をごぼう抜きする競馬

後方から競馬をする差し馬は最後の3Fで前の馬を何頭もかわしてグングンと先頭を狙います。

幾多の馬をかわして先頭に立とうとする姿も勇ましく、馬券を購入している人からすれば手に汗握ってしまいますね。

もちろん、差し馬が何頭も出走するレースもあります。差し馬同士がしのぎを削る姿も競馬の魅力のひとつです。

差し馬に有利な舞台

馬と女性騎手

差し馬は後方から末脚を伸ばして勝利を手にする特性を持っています。そして、差し馬にとって有利な舞台があります。

差し馬が得意とする展開や条件を紹介しましょう

ハイペースで流れる展開

競馬は、レース全体のペースを【スローペース(S)】【ミドルペース(M)】【ハイペース(H)】の3種類にまとめることができます。

  • スローペース:前半のタイムが後半のタイムよりも1秒以上遅い
  • ミドルペース:前半と後半のタイムの差が±1秒以内
  • ハイペース:前半のタイムが後半のタイムよりも1秒以上速い

例えば、芝2000mのコースなら前半1000mと後半1000mのタイムの差からペースを読み取ります。

例えば、1000m通過タイムが59.0秒で、ゴール通過タイムが2.00秒0のレースの場合、前半のタイムが後半のタイムよりも1秒以上速いのでハイペースになります。

そして、差し馬はハイペースの競馬ほど末脚を活かすことができます。

なぜなら、ハイペースで流れるということは、逃げ馬や先行馬が前半に飛ばしているので、後半ばてる可能性があるからです。

先行グループが失速することで、力を温存していた差し馬が相対的に台頭しやすくなります。

直線の長い競馬場

競馬場の直線

直線の長いレースも差し馬が得意とする舞台です。

競馬場は中央競馬だけでも全国に10カ所存在しますが、東京や新潟のように直線の長い競馬場もあれば、中山や札幌のように直線の短い競馬場もあります。

直線が長ければ長いほど、トップスピードを維持しやすいので、差し馬は直線の長い競馬場を得意とします。

逃げ・先行馬が多数揃ったレース

逃げ馬や先行馬が多数揃うと、どのようなレースになるでしょうか。

逃げ馬は序盤に先頭に立って自分でレース展開を作ります。

先行馬も先団グループにとりついて様子をうかがいながら競馬します。

ところが、逃げや先行馬が多数揃うと、どの馬も先頭もしくは先頭に近い位置で競馬しようとします。

その結果、前のポジション争いが熾烈になり、ペースが上がるので、前半のペースが上がりやすくなるハイペース状態になります。

差し馬にとって前に行く馬が多数揃ったレースは力を発揮しやすいです。

芝なら良馬場、ダートなら稍重もしくは重馬場

馬場状態によっても差し馬の好走条件は変わります。

差し馬にとって望ましい馬場はスピードに乗りやすい馬場です。

特に、差し馬は一瞬の加速力が勝敗を左右するといってもいいので、馬場状態の良し悪しはかなり重要です。

一般的にスピードに乗りやすい馬場は芝であれば良馬場です。稍重や重馬場になると、水分を含んでタフな馬場になりやすいので、乾いた良馬場が一番理想的です。

また、開催前期と後期では芝の傷み具合も変わります。もちろん、芝の状態が良いほうがスピードに乗りやすいので開催前期の馬場の方がスピードに乗りやすいです。

ダートの場合は、稍重や重馬場がスピードに乗りやすいです。

ダートの良馬場は脚が深く刺さるため、実はそこまでスピードは出づらいです。

しかし、雨などで水分を含んだ稍重や重馬場は砂地が固くなるので、脚が砂深くまで刺さりません。そのためスピードが出やすくなります。

ちなみに、ダートの不良馬場はさすがに馬場が泥のようになって深く刺さるので、スピードは非常に出づらくなります。

差し馬が苦手とする条件

涙する女性

差し馬の得意な条件を紹介しましたが、もちろん差し馬が苦手とする条件もあります。

差し馬が苦手とする条件を見ていきましょう。

レース展開に左右される

差し馬は後方から競馬をする関係上、どうしてもレース展開に振り回されます。レース全体のペースをコントロールすることはできないのは差し馬の宿命です。

例えば、いくら脚を溜めることができたとしても、最後の直線で馬場の良いところに他の馬がいたり、目の前が馬群の壁になっていれば末脚を発揮することなくレースが終わることも多々あります。

回収率が低い

土下座においうち

逃げ馬や先行馬に比べると差し馬の回収率は低いです。

どうして低くなるかというと、自分でレース展開を作ることができないからです。

前で競馬をする逃げ馬や先行馬は自分でペースを作れます。ところが、差し馬は後方から競馬をする性質上、レース展開は逃げ馬や先行馬に依存します。

そして、ペースがあまりにもスロー展開だと溜めていた脚を伸ばしても先団グループに届かない可能性もあります。

また、ペースを自分でコントロールできないということは、ペース配分も思い通りにいかないということです。

自分の競馬に集中できる逃げ馬や先行馬と違って、差し馬は展開やペースをコントロールできないので実力を発揮し辛く、回収率も低くなりやすいです。

小回り競馬場は苦手

差し馬は小回り競馬場が苦手です。

そもそも差し馬の競馬は、トップスピードに乗って先団グループをかわすことです。

しかし、小回り競馬場はコーナーが多いのでカーブする際、どうしてもスピードを落とさなくてはなりません。

また、小回り競馬場は直線が短い競馬場が多いので、差し馬がトップスピードを長く維持するにはコーナーワークからペースアップしないといけません。

もちろん、小回り競馬場で好走している差し馬もいますが、直線が長く、コーナーの大きい競馬場の方がスピードを活かせるので、小回り競馬場における差し馬の成績はそこまで高くないのが実情です。

まとめ

差し馬はその脚質上、どうしても後方からの競馬を余儀なくされますが、展開が向けばその末脚で数多くのビッグレースを制しています。

今回は差し馬が得意とする舞台、そして苦手とする条件をまとめました。

差し馬の特徴を活かして、馬券を購入してみてください。

当記事があなたの馬券収支向上に少しでもお役に立てたら幸いです。